平戸市切支丹資料館

周辺史跡情報

■ニコバ■
 雨乞いの行事(臨時に行われる行事)
昭和14、5年頃大旱魃があり、カクレキリシタンの行事としても三回雨乞いをしたといわれています。聖地ニコバに登って水の役がシバの木を足の下に敷いて座り、一昼夜お祈りしたといいます。
ニコバは根獅子の南の方角にある雑木の茂った山で、昔から殉教者の遺跡として霊地とされており、死者を葬るときには頭をニコバのほうに向けて埋葬する習慣があります。
ニコバには平たい大きな石があり、町民はタタリを恐れて足を踏み入れない。現在はお参りに行く人もいないといいます。(信者伝承)

■ウシワキの森(ウシワキ様)■

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ある夫婦と女の子三姉妹の前に、一人の男の子が現れました。
 家族はその働きぶりに感心、長女の婿に迎えました。
 子をなし、もう大丈夫と思って一家がキリシタンと告白した翌日に男は姿を消し、キリシタン取締りの役人に、一家は捕らえられてしまいました。
 一家は両親はじめ、長女のお腹の子を含め6人が(おろくにん様)、根獅子の浜昇天石で処刑されました。
 遺体は海に捨てられたが、村人達は遺体を拾いこの森に手厚く埋葬、一帯を千人塚と称し聖地として敬いました。
 8月26日が命日(信者伝承)

■ウシワキ様の井戸■
 カクレキリシタンの組織の中でも重要な位置にある「水の役」が、「お水採り」を行うのがこの井戸で、溜池に流れ込む湧水口のみを指していいます。
ここから採取された「神水」は、家祓、お名付け、葬式のお水などに使用されました。
この井戸は、殉教者ウシワキ様が使用していたという伝承があります。(信者伝承)

■チチャの木■
 根獅子に伝わる麦穂のマリア伝説にまつわる樹木。
 キリシタン信者だった母親が赤子を連れ逃げる途中、農夫に追っ手が来たらこの麦を作っている時期に通ったよと言ってくれと頼みました。
 麦は不思議と生長して、その親子の姿を隠してくれました。しかし赤子が泣き出して発見され、処刑されたといいます。
 この木は親子の血を吸って、今でも切ると血が出るといいます。(信者伝承)
 麦穂のマリア伝説は外海・五島地方に伝承された「天地始之事」に似た話があるが、その関係は不明。

■信者潜伏の大石■
 禁教令のもと、切支丹取締りが厳しさを増す中、根獅子の浜八幡神社裏、海岸北側の大石の隙間に信者が隠れていたと伝承されています。
中は大人10名程が入れる空間があります。(信者伝承)

■踏絵所跡■
 江戸時代、住民は寺請制度の中で仏教徒として暮らしました。
 禁教時代の平戸藩でも、宗門奉行、宗門目付けを設置しました。
 根獅子は宗門目付を配属しました。
 踏み絵は長崎奉行所から借り受けた踏み絵を、当地の住民にも踏ませたものですが、伝承として前の川河口、ダンジュクの下が、踏み絵場といわれています。(信者伝承)

■根獅子の浜■

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 昇天石を含む根獅子の浜は、かつて多くのキリシタンが殉教した浜で、常燈の鼻(南側岩礁)から昇天石を含む八幡神社までの通称浜久保までの範囲が聖地とされています。(信者伝承)

■昇天石■
 ウシワキ様の処刑された場所という伝承とは別に、1567年根獅子教会の管理人で、もと僧のトメーの殉教地という伝承もあります。
根獅子では同一人物ともされていますが、いずれにしても根獅子の浜の中心的な聖地といいます。

■ルルドのマリア様■

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 1858年2月11日、フランスの寒村ルルドで、喘息を患っていた少女ベルナデッタに聖母が出現された時の様子を再現しているものです。
出現されたマリアは腰にブルーの帯をしめ、手にはロザリオを持ち、2月であるにもかかわらずマリアの足元にはバラの花が咲いていたという、ベルナデッタの証言をもとに像にした特徴のあるマリア像です。
この洞窟から湧き出た水によって、病気が奇跡的に治癒した例がたくさん報告され、巡礼地として世界的にとても有名になりました。
 このルルドのマリア様は平成14年8月14日、おろくにん様殉教祭の日に紐差のカトリック信者が建立したものでおろくにん様に捧げられました。
ウシワキ様の井戸下に、殉教地昇天石を見守るように建てられています。

■根獅子教会跡■
 布教時代の根獅子教会跡で元々寺であったと伝えられています。
通称寺の坂といい、もと僧のトメーが管理人として居たという。
1567年トメーは昇天石で殉教している。(信者伝承)

 昭和60年、平戸市教育委員会がこの地の発掘調査を行った結果、当時の住居の痕跡を確認しています。今は個人の畑となっていますが、昔から人糞などの肥料を入れてはならないとされています。

 




平戸市切支丹資料館

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開館時間:9:00〜17:30
休館日:毎週水曜日・年末年始(12月29日〜1月2日)